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サイクリスト免許皆伝シリーズ

これだけマスターすれば今日から「ライディングポジションの達人」になれる(かな?)

Vol.3「ポジションの話…自分の自転車なんだから絶対パーソナライズ

 ポジションなんてサドルの高さを一度あわせたっきり!しかしそれだけの調整でぴったり合う人ははたしてどれくらいいるのかな?


 自転車と乗り手との接点はハンドル、サドル、ペダルの3点しかない。しかも合っているのか合っていないのか最終判断は乗り手に委ねられているから、「単純なんだけど微妙すぎてわかりにくい!」と言われる所以だろう。そこでまずは自転車が機構的に持っている調整範囲を利用して、自分の体格にあわせるパーソナライズをしてみよう。そこから自分の走りが見えてくること間違いなしなのだ。

まずは基本中の基本
サドルの高さをチェック!
 大抵は「両足のつま先が楽に地面に付く高さが適当」されている。けっして間違いではないし、新しい自転車に慣れるまではこの高さでもまったく問題はない。だけど目指すは「サイクリング」だったら、もう少し掘り下げてお勉強なのだ。もしズーっとこのままの高さだったら、走る距離が長くなってくるとお尻が痛くなる原因なったりする。しかも本来持っているパワーが十分に発揮できなとしたらもったいない話だ。というわけで右図のように、かかとをペダルに乗せ、ヒザが真直ぐになる高さに合わせてみよう。この高さで地面に足を下ろすとクロスバイク、MTB、ロードレーサー等では足は地面にほとんど着かないという矛盾に遭遇するはずだ。ならばどうすればよいのか?街中やクルマとの併走またはダート走行など「チョットあぶないかな」と思われるような区間ではこの高さよりサドルをさげて足つきを優先的に確保し、サイクリングコースや郊外に出たら元に戻せばいい。シートクイックがついている自転車ならパッパッと瞬時に完了する。シートクイックが付いていなくても対応した工具(ほとんど5ミリアーレーンキー)をすぐに取り出せるところに忍ばせておくのがコツ。もしこの調整でリミットライン(下記補足参照)を超えたらその自転車はチョッと小さいゾ!

上半身の空間を確保
エクステンションチェック!
 次はサドルからハンドルまでの距離、すなわち「エクステンション」の調整なのだ。まず腕の長さ(わきの下から中指第一関節までの長さ)を測る。これを「
L1」とする。つぎにサドル中心(シートピラー延長線とサドル上面が交差する点)からハンドル径中心を測る。これを「L2」とする。ドロップハンドルならエクステンションはL1=L2が基準値になる。フラットハンドルならば腕の長さに5〜7cmプラス値をL1とする。
 もし
L1>L2だったらサドルの取り付け位置をを後ろ気味に、L1<L2ならサドルを前気味にセットする。この調整はサドルの前後スライド量で調整する。実際にはステムを交換しない限りL1=L2にならないが、上半身の空間確保と言う意味では相対的には近似する事になる。あくまで初めに書いた通り「自転車が機構的に持っている調整範囲を利用して…」なのだ。

エクステンションを合わせたら…
クラウチンクスタイルのチェックなのだ!
 ここまでのセッティングが完了したら試走してみよう。とりあえず家の周りをヒジが突っ張らないように気を付けて上半身をリラックスした状態で走ってみる。もし腹部に圧迫を感じたり、背筋や首回りの筋肉がきついようならハンドルを少し高くする。この調整はステムの高さで調整する。またそれとは反対に「もう少し前傾(クラウチング)してもいいな」と思うようであればハンドルの高さを少し下げる。どちらでもない、こりゃ具合が良いと感じるのであればしばらくそのままにしておく。またコレ重要!ステムを調整するときはシートピラーと同様にリミットラインに注意して調整するコト。

補足:リミットラインの話
 シートピラー(またはシートポスト)とハンドルステム、この2つに共通していることは固定方法こそ違いますが「パイプ形状(フレーム)の中に差し込まれている」と言うことです。差し込まれている量が少なければ十分に固定されません。例えれば蛇口とホースを考えてみてください。差し込みが浅ければすぐに抜けてしまいます。ということは差し込みが浅ければ危ない!自転車にとっても乗る人にとっても致命傷となります(脅しじゃなくて、マジです)。そのためにステムとピラーには必ず「この線より奥まで差し込んでください」と言う意味の限界表示線すなわちリミットラインが表示されています。これらの部品がフレームに正しく取りつけられているときはこの線は見えません。サドルの高さをあわせるとき、あるいはハンドルの高さをあわせるときはかならず確認して線が見えなくなるまで差し込みましょう。この表示はお買い物自転車や子供用自転車など、自転車と名がついているものには必ず付いているので確認してみて下さい。

さらに微調整
ハンドルとブレーキレバーの取り付け角度
 調整できる箇所はまだ有るのだ。ドロップハンドルでほとんど上側しか持たないなんて時は、ハンドルの角度を少し上向きにしてみよう。グリップの感じがずいぶん変わると思う。
 フラットハンドルならハンドルに微妙なベント角度が付いているから、手首の具合を調整できる。このときブレーキレバーの取り付け角度も合わせたほうがベストだろう。
 またサドルも角度調整ができる。クラウチングスタイルが深い人ならサドルを前下げ気味に、それほどでもなければ水平が基本。あとはお尻と相談して圧迫が強い方を下げてバランスを取ればよい。

 いろいろやってみたがどうしてもしっくりこない場合は、ステムの交換あるいはサドルの交換も考えよう。この時は以前なら行き当たりばったりの交換で、結局は見た目だけになってしまうところが、「こんな感じかな?」なんて少しでもイメージできているんじゃないかな?このイメージがわいてきたら「ポジションマスター」まであとすこしなのだ!

ポジション調整は「これくらいかな?」と疑問を感じたらすぐ微調整を繰り返して、状況に応じた自分の理想のポジションを見つけよう。

Copyright : Junichi Morita


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