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自転車かいぼー学

「ネジ」のはなし 自転車のコツは全部ネジにある?!

「割り」を締め付けて部品を止める…シートピラー、アヘッドステム
 シートピラーはフレームに割りを入れ、ボルトで締め付けられるようにしてフレームに固定されている。このような構造を「割り入りクランプ式」とでも呼んでおこう。ココで使われているボルトは「シートピン」と呼んでいる。この方式の場合チョットしたコツがいる。これは締め付けよう思えば力次第でいくらでも回ってしまいシートピンが曲がってしまったり、最後にはネジ部分を壊してしまう可能性があるところなのだ。特にシート部などフレームに直付けになっているロードレーサーなどは注意が必要だ。
 コツは「必要以上にボルトを締めない」。要するにシートピラーが落ちない回らなければよいわけだから、少し締めてはサドルが動かないか確認して「必要ならもう少し締めるという動作を繰り返す。」の「もう少し」の部分が一番大事だいじ!角度にして最初は180度とかあるいはもっと回しても最後の最後は10度とかそれ以下しか回さないのだ。サドルが動いてしまっては危険だけどネジの締めすぎはフレームを壊し最悪フレームそのものがダメになってしまうのだ。面倒でも必要十分な固定力が得られるまで少しずつ調整する。バインダー式だから大丈夫と言うことでもないので手順通りにシート高を調整しよう。
 また同様の固定方法を採用している「アヘッドステム」もやはり、必要十分以上の固定力で締めつけないこと。シートと異なる点はボルトが2本あるので一方をいっぺんに締めるのではなく交互に少しずつ締めていく。やってみるとわかるが先に締めた方のネジは後に締めたネジによってクランプ部がより圧縮され結果的に先に締めたボルトは十分に程まっていない状態になるのだ。だからコツは「交互に少しずつ」なのだ。

ネジはネジでも具合を担当しているネジ…クイックレバーの反対側のネジ
 クイックレーバーは、本来なら「誰がどう操作しても同じ結果」になるのが理想なのだ。たとえばカメラの交換レンズなんていうのは「誰がやっても結果は同じ」。ところがこの単純なクイックレーバー、何が難しいって「操作自体は非常に簡単なのに、誰がやっても同じ結果にならない」ことなのだ。なぜ同じにならないかと言うと「具合」が人によって千差万別なのと、僕なんかは「具合」活字にしなくてはならないのだ!以下がんばるゾー。
 機構的にはジャッキみたいに握力だけでものすごい力で締めつけることの出来るテコとカムを組み合わせた「レバー側」とシャフトの反対側まで貫く長いネジ?ココまでは組み立てられた一体化された部品なのだ。このレーバー部のストロークはせいぜい3〜4ミリしかないからこの範囲で、十分な締めつけを行うために反対側の調整ナットがあるわけだ。レバー部のストロークを十分に活かすか殺すかはこの「調整ナットの回し具合」次第なのだ。
 前輪を外すときはレーバーを操作しただけでは外れない。というのもレーバーで開くストローク以上の突起あるいは段差がフロントフォークエンドについているからだ。この仕組みを脱落防止と呼んでいる。つまり万が一走行中にレーバーが開く事態に至っても前輪が脱落しないようになっている。つまり前輪を外す場合はレーバー操作とさらに調整ナットを緩めて脱落防止の段差以上に開く必要があるのだ。しかしこれがクセモノ!次に車輪を取りつけるときにクイックレバーの具合がまったく狂っててしまっているのだ!さーこの原理と手順を逆に考えてみよう。先ずフォークエンドに車輪の軸をはめる、次に反対側の調整ナットを締めていく。ココでぐるぐるむやみに回してもしょうがない。まずレバーが触れるくらいの軽い力で水平になるくらいまで調整ナットをイッキに回す(コツその1)。つぎに車輪がエンドの奥まで入っていることを確認してレバーを完全に操作してみる。握力にして28キロぐらいの人ならめいっぱい締めて大丈夫である。これが目安。それよりゆるいようなら一度レーバーを開放し、調整ナットを少し(せいぜい90度ぐらい)まわし再度、レバーを締めてみる。これとは逆に締まりきらないようなら無理に締めるのはやめて、レバーを開き調整ナットを少しだけ緩めやり直す。現在の機構では「握力28キロぐらいが目安」しか具合を活字化できないのが残念!オトコの人ならまあ加減してくれたまえ?!(これが具合?)。そしてこれ肝心、「フォークパイプに平行にするのと、レバーを最後まで締めきる」これは大事。クイックレバーは最後まで締めるとレバーが開かないように少し緩む機構になっている。つまりクイックレバーを緩めるとき、はじめの5度ぐらいのところに締め付け力のピークがあるのだ。つまり振動などで開放してしまうのをこの位置でブロックしている。
 後輪は脱落防止の段差は無くいが、チェーンが複雑に絡まっている様に見えるが、Top(一番小さいギア)に入れてレバーを開放してフレーもを持ち上げれば大抵の場合、車輪は外れる。取りつけるときはチェーンの内側からTopギアにチェーンを掛けてリアエンドにシャフトを入れてしまえばあとは前輪と同じコツ。

変速機の調整ネジ
 この調整ネジ、位置決めをしているだけなので黙っていれば緩むと言うより「動いて」しまう。そこで授脂を挿入したりバネをいれたりいろいろ工夫はしてある。がやっぱり緩むから定期にチェック!機構的にはLow側(L)とHigh側(H)の2本ある。H側は車輪から見てそれ以上外側にいかないリミット位置を決める作用をする。これはワイヤーが張ってなくても、タルタルになっていても調整可能である。むしろワイヤーを張らないでやる場合が多い。ジョッキープーリー(上プーリー)がTopギアの直下にあればよいわけだ。この場合フロントギアはアウターに掛けておくのがコツ。難しいのはL側でワイヤーを張って操作させた状態で無いと調整できない。まずフロントギアをインナーにしてR変速レバーを操作させてL側を調整する。当然Lowギアの真下にジョッキープーリーがくれば良いのだが、注意点は変速機のプーリーゲージがスポークに当たらないこと。これがあたってしまうとかなり危ない!これは素人ではどうしようもないので専門家の診断が必要となる。

おまけ:
上プーリーをジョッキープーリーと呼んだが、下プーリーはテンションプーリーと呼ぶ。

ステムのネジ(引きボルト) ウス式、斜ウス式
 中ウスの形状の違いで2通り在るが、締め方のコツはシートピンなどと同じ、「締めすぎない」。違うのは緩めて、角度を直したり、高さを変えるとき。斜ウスは引き揚げボルトを緩めればステムは動くが、ウス式はボルトをたたいてウスを下げないとステムが動かない。つまりたたくボルト頭は通常たたくところではなく工具を当てるところだから、金属ハンマーのようなものでたたいてはダメ!ましてや「ハンマーが無いから…」なんて石やモンキーレンチでたたくなど言語道断!当て木をするとかプラスチックハンマーでたたくべし。しかもボルトに対しまっすぐと!さもないとボルトが打ちそこないのくぎみたいに頭の付け根が曲がってしまう。

任意の位置でロックする「ダブルナット」
 ヘッド小物の調整、BBロックリング、ペダル、ハブの回転部など回転部の玉あたりに使われている。原理は2つのナットを締めあわせることによって任意の位置で固定できる。つまり2つのナットのうち一方を玉あたり(ボールレース)形状にしておけば、回転部の尾調整が可能になる。ほとんどの場合専用工具が必要なため誰でも簡単に調整できるものではないが、裏を返せば「調整可能=ガタもでやすい」わけだ。つまりあまり回転部の無頓着ではいけないということだ。そしてガタが確認されたら早めに調整するのが最大のコツなのだ。

 

Copyright : Junichi Morita とプロジェクトK(イラスト:五十嵐 晃)


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