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第一章:JR新宿駅「カメラ店巡礼」
1999年(平成11年)1月14日 天気:はれ レポート:J


新宿と言う街
オフィス街、デーパート街、港町
(森進一がそう歌っていた)
 ぼくにとっては「カメラの街」なのだ。
 「大型カメラ店がたくさんあるから?」 いや、あれは単なる発射台に過ぎないと思う。あの発射台からものすごい数のカメラが社会人デビューを果たす。そしていろいろなカメラメーカーのサービスセンターが点在するのも新宿である。オリンパス、リコー、ミノルタ、ニコン、ペンタックス…これはまさにカメラドック。
 そして「中古カメラ店」もたくさんある。用の無い人には全く目に入らないし、興味の有る人には超強力なオーラで吸い寄せる不思議なたたずまい。ここでカメラは消費財として第2、第3の人生を送る縁を待っている。

新宿界隈だけでカメラ界の輪廻天昇が構築されているのである、そんなカメラの街「新宿」。

トレンクルに似合うカメラ
 今日のお目当ては「コンタックスT2」、このモデルはすでにAPS仕様の「Tix」にモデルチェンジしてしまったため探すしかない。「TVS」も候補にあったのだが富士には月見草、シンプルなトレンクルには固定焦点のT2が似合うと勝手に認定してしまう。T2は相場も大体決まっているし物件の多い、問題は「千円差」の優劣じゃなくて、同じ値段で2台あったらどうするか?どちらに「ぴぴっ」とくるかなのだ。これがまた楽しみでもある。。。。
 先ずは「出番の無い機材はリサイクル、リサイクル…」なんてもっともらしい理由で自分を正当化しつつ買い取り専門Aカメラへ。本来なら地下鉄新宿線で2駅乗るところを今日はトレンクルでスーィスイ。今回のサイクリングも、カメラ泥沼化もココが第一チェックポイントとなる。買い取り専門店が新宿から少し離れ今日の起点としてふさわしい場所にあるのも少し因縁っぽい。
 すこしだけ懐が暖まったところで次に「T2探し」のルートを設定する。新宿の中古カメラ店はJR線を挟んで点在する。普段から新宿をターミナルとして利用している人は、おりにふれカメラ店を巡り、各店陳列状況を覚えてしまうことだって出来る。お宝に出会う確率も高い。普段新宿をターミナルとして利用していないぼくが「足で稼ごう」なんて考えている場合は、事前調査をしておかないとあっちへうろうろこっちをうろうろ大変なことになる。
ところが今日は「脚」があるから、駆け足で「T2」の所在を確かめることが出来る。
「Mi商会」「P.H.」「カメラのK」「A堂」->「Luカメラ」->「カメラのD」「C市場」「Mカメラ」
 途中何度もほかのカメラから強烈なオーラ攻撃を受けるがナントか振り切る(何せ今日はお目当てが決まっている)。この「オーラ攻撃」を振り切るのはつらい反面、しばらくすると衝動買いウイルスに変化し健康保菌者になってしまう。これがしょっちゅう発病するから怖いコワイ。

一巡したところで、チョット遅い昼食兼作戦会議のため中央公園へ。(トレンクルが無かったら巡礼はまだ半分も回れなかっただろう、、、)。
本日のT2新宿在庫は4台。そのうち2台が限定モデルで少し高め?これはパス。そして「ぴぴっ」ときたのが1台。大体の目星はつけた。

XXXに直行する。あったあった(^_^; 行き違いで売れてしまうこともある)
無事に本日のお目当て「T2」をゲットする。
何処で買ったかって? それは内緒、「脚で稼ぐのだよ、脚で、、、、」
「T2」と「トレンクル」でいろいろなところに行きたくなった。

あっ!そういえばトレンクルに似合う「鞄」って、、、、、おしまい


後から気づいたこと
 新宿を歩いていると用事のある以外の人との会話などほとんどしたこと無いし、ましてや地下通路を歩いているときなど見ず知らずの人との会話など絶対にありえない。機会があるとしたらそれは「セールス」か。それがまた「都会」の一面であり、ある意味「それが当たり前」だったりする。ところが今日はまったく見ず知らずの人と「トレンクル」を切り口に随分話をした気がする。(新宿)駅構内でトレンクルのデモンストレーションやってた話題だったり、環境問題の話になったり、都会こそ自転車が一番!なんて絶賛されたり、観光地じゃあるまいしシャッターを押してもらったり…なにかと世紀末世紀末とうるさいご時世、なんか都会も捨てたもんじゃないな。そうかんがえると都会の潤いって噴水が有るとか、彫刻が有るとか、有名な人が考えた建物であるとか…そう言うことも都市の要素なんだろうけど、なにか別のところに有るような今日はちょっと得した気分。


おまけ
新宿駅の生き証人…MYCITY野外ステージ左横にある茶色の物体。あれは明治34年ごろロンドン市から贈られた宿馬の水飲み場なのだ。新宿駅は馬車から始まったのだー。いまはステージ周辺に仮設の柵をしてしまっているから色気も何もあったもんじゃない。国宝的価値云々より、これは「新宿の証人」なのだからもう少しなんとかならないものか?
中央公園へのアプローチ…できれば都庁通り階の広場から歩行者専用橋でアプローチしたい。自動車階からのアプローチとはまったく視線が異なり絶景!この乗り物は歩行者と自動車のちょうど中間の視点を持ている。


どうでもいいことだけど「中古カメラ店を巡る3つの理由」
其の一:製造中止になったカメラ
 買い逃した、知らなかった、買える経済状態ではなかった、あるいは流してしまったetc、人生山あり谷あり。気付いたときには製造中止…こうなったら探すしか無い。さかのぼる時間が過去であればあるほど発掘作業状態になる。これは古本あるいは考古学のそれに似ている。  がんばれー!

其の二:経済的理由
 ははは、実はこれが本当の理由だったりする。「経済的理由」で手放す人あればその人の手から離れた瞬間から中古物件として存在し、「経済的理由」でその物件を求める人がいるのだ。  まいっかー?!

其の三:学術的?鑑賞
 お店にとっては迷惑なだけなのだが、発射台系新品カメラ店とは全く異なる。国籍,メーカー,年代(生年月日)など学術的?に分類がなされていたりお店によっても微妙にちがう。もっとも博物館では無いのだから商品の密度が高すぎて「分類はしない」という分類学もある。  奥が深い!!


文中カメラ店のWeb Page
「リサイクルリサイクル」っと:
http://camera-kaukau.com
「発射台系」大型カメラ店のWeb Page :
http://www.yodobashi.co.jp/
「Luカメラ」のWeb Page :
http://lucky-camera.com/
「Mカメラ」のWeb Page :

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